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日付 2004/02/11 アクセス数 533 投票数 0

詩@韓国詩(2つ掲載)
下の詩は「チェスンホ」という詩人が書いた詩です
*チェスンホ(1954年生まれ)は今最も注目されている詩人。
金スヨン文学賞、イサン文学賞、現代文学賞など多数受賞


 人魚についての想像


地下鉄の良才駅で
マルジュック通り市場の方に
下半身を丸ごとゴム皮で包んだ一人の男が腹ばいではっている
コイン数枚入っている器を
歩道ブロックから歩道ブロックに押して行く
その遅さにいらいらして
苦痛だ
両棲類的想像力から
人魚たちが生まれたと
ぼくは思う
下半身が魚である人魚がいるとするならば
魚の頭に人間の下半身を持った人魚もいる
その二人の人魚が海辺で
結婚式を挙げると想像してみろ
記念写真を撮ってもその夫婦ほど
グロテスクな孤独があるだろうか



下の詩は「羅喜徳(ナヒドク)」という詩人が書いた詩です
*羅喜徳(ナヒドク)1966年忠南市ノンサン生まれ。「忠アン日報」新春文芸で登壇。
詩集に『根に』『その言葉は葉を色づけた』『それは遠くない』『暗くなるもの』など。
金スヨン賞受賞


   乾いた魚のように


闇の中であなたはつかの間だけ一緒にいようとした
愛なのかもしれない、と思ったけれど
あなたの体が手にふれた瞬間
それが不安のためだということが分かった
あなたはすっかり乾ききった泉の底に横たわった魚のように
力をふりしぼってぴちぴちしていた、
私は凍って死なないために体をこすらねばならないように
あなたをぬらすためにしきりに唾を吐いた
あなたのうろこが闇の中で一瞬輝いた
でもわたしの不安をあなたが知るはずがない
外が少しずつ明るくなってくることが、
光が水のように
流れ入ってきて闇をぬらしてしまうことが不安だった
私はしきりに唾を吐いた、あなたの弱ったうろこの上に

とても長く時がたって
私は古いお膳の上に置かれた乾いたウグイ(石斑魚)を見た
ウグイを見たことはその時が初めてだったが
私はあなたを一目で分かった
そのウグイは冬の夜 南大川上流の氷の上に
釣り人が座って捕まえたものだそうだ
しかし ひれはへし折られて 
その輝く目もうろこもすっかりひからびてゆく
古いお膳の上で冬の日差しを受けている乾いたウグイたちには言葉が無い

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韓国の詩です(↑)
乾いた魚のように は佐川亜紀さんと言う人が翻訳しています